特　　長

エアードライヤとは

エアードライヤとは、圧縮空気中に含む水分を除去して乾燥空気を得るための機器である。水分除去の方法により、冷凍式、吸着式、膜式のものがある。

• 冷凍式エアードライヤ
  冷凍式エアードライヤは、圧縮空気を冷凍機によって強制的に冷却し、水分を凝縮させることにより分離除去する。入り口から入った圧縮空気は空気温度平衡器で除湿された冷たい空気で予冷され、その後冷却質に入り、冷媒により２～５℃程度まで冷却され除湿される。除湿された空気はつぎに温度平衡器に入り、入り口からの暖かい空気に空気により暖められ湿度を下げて入り口から排出される。圧力下露点、流入空気温度、周囲温度、最大処理空気量などに注意して使用する必要がある。また、冷凍式の場合は通風のよい場所に設置する必要がある。
• 吸着式エアードライヤ
  吸着式エアードライヤは、シリカゲル、モレキュラシーブス、活性アルミナなどの固体吸着剤を容器の中に詰めて、この中に圧縮空気を通すことにより、空気中の水分を吸着させて圧縮空気を得るもので、最大ー７０℃程度までの低露天を得ることができる。乾燥剤は飽和状態になったら乾燥させて再生する必要があり、通常２個の容器を利用して再生させる。再生する方法により、加熱器が付いたヒート型、乾燥空気の一部を使用するヒートレス型がある
• 膜式エアードライヤ
  膜式エアードライヤは高分子中空糸膜を使用したドライヤで、電気を一切使用せず、膜の分離機能のみで加圧露点5℃まで除湿し、エアーラインの末端で乾燥空気を供給します。
  高分子材料で作られた中空糸膜フィルタの内側に圧縮空気を通しますと、水蒸気のみが外側に排出され、出口側では乾燥空気が得られます。更に、出口側の乾燥空気の一部をパージさせることにより、常に水蒸気の濃度が低い状態に保たれるため、連続除湿が行われます。

選定のチェックポイント

エアードライヤーを選定する際に気をつけたい点は、ピークの夏場を想定して欲しい事です。

エアードライヤーが活躍する時期は夏（5月から9月）と冬です。
特に夏は、入気温度を把握せずドライヤを選定している場、ドライヤが停止してしまうことがあります。入気温度とは、ドライヤに入ってくる圧縮空気の温度の事。入気温度が５０℃よりも高い状態で、標準入気タイプ(RAXタイプ）を使用すると、高圧カットが働きドライヤが停止してしまいます。そして末端に水（ドレン）が溜まり、それがエアー機器等のトラブルを引き起こします。 入気温度が高い場合は、高入気温度タイプ(RAX SEタイプ)を選んで下さい。

また、対応したコンプレッサーよりも小さな能力のドライヤは選定しないで下さい。逆に１サイズ大きい能力のタイプを選定する事を勧めます。
スクリューコンプレッサーをお使いの場合は、アフタークーラーの付いているコンプレッサーなら、入気温度が比較的低いです。ただし、夏場の周囲温度が高いと冷えにくい事がありますので、余裕を見るなら、高入気温度タイプ(RAX SEタイプ)をお使い下さい。